群馬県前橋市発注の公共工事を巡る官製談合事件で加重収賄などの罪に問われた市の元課長ら3人の公判が前橋地裁で開かれ、3人にいずれも執行猶予付きの有罪判決が言い渡されました。
官製談合防止法違反や加重収賄などの罪に問われているのは元前橋市契約監理課の課長補佐薊礼二被告51歳。贈賄などの罪に問われているのは設計施工会社「女屋スポーツ」の元代表取締役女屋正被告58歳。それに、公競売入札妨害の罪に問われているのは土木工事会社「深沢」の元代表取締役深沢良一被告69歳です。
判決などによりますと、薊被告は去年、前橋市が発注した公共工事の予定価格を2人に漏らし、女屋被告からは見返りにおよそ17万円分のビール券を受け取ったものです。これまでの裁判で検察は、薊被告に懲役2年6か月などを女屋被告に懲役1年6か月を、深沢被告に懲役1年を求刑し、弁護側はいずれも執行猶予付きの判決を求めていました。
前橋地裁の水上周裁判長は16日の判決公判で「薊被告はいずれの工事も予定価格の9割を超える価格で落札させ、公務員の公正を大きく害した。女屋被告も会社の利益確保が目的で身勝手だ」として、薊被告に懲役2年6か月、執行猶予4年、追徴金11万2250円を、女屋被告に懲役1年6か月、執行猶予3年を言い渡しました。また、深沢被告には懲役1年、執行猶予3年を言い渡しました。なお、判決を受け、薊被告の弁護士は控訴しない方針を明らかにしています。